シリーズ　この方はこんな人㊷諏訪姫

こちらは日本史大スキ女のわたしが、日本史上有名で気になる女性たちを
一人でも多くの人に知ってほしいと願い、もうけたコーナーです。
インタビュー形式で展開していますので、興味がありましたらご一読くだ
されば嬉しいです。お次は、この方の紹介です。

～儚くドラマティックな印象を世の男たちに抱かせた　清流な透明感をたたえた美しきフェアリー～

【プロフィール】
１５３０年～１５５５年
戦国武将・武田信玄の側室で武田勝頼の母。名門諏訪頼重を父としていたが、信玄
との戦いに敗れ切腹する。信玄は武田氏家臣の猛烈な反対を押し切り、彼女を側室
に迎える。
薄幸の美女として、信玄の登場する小説や時代劇に欠かせない存在として描かれて
いるが、２５歳前後の若さで死去する。

【インタビュー】
Rico　　　生きていれば最も天下に近いと言われ、あの織田信長さんも恐れた男・武田
信玄さんの愛した女性、諏訪姫さんです。

諏訪姫　　・・・。

Rico　　　あの～、こんにちは。聞こえてます？長野県の諏訪湖近くの名門の家柄だっ
たそうですね？

諏訪姫　　・・・。

Rico　　　ゴホン。え～、信玄さんの妹さんが諏訪姫さんのお父様に嫁がれたのです
が、最終的には信玄公とお父様は争われて、お父様は敗れてしまったとお聞きしていま
す。さぞ、つらくて悲しい経験をされたと思っています。

諏訪姫　　・・・勘助がね。

Rico　　　はいはい！信玄公の軍師である山本勘助さんですね。

諏訪姫　　信さんはすばらしい男だって言うの。でもどこが素晴らしいなんてわか
るのよ証明してほしいわ、って言ったの。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（武田信玄）

その時以来すっと信さんが部屋に来て、お話をしてくれるの。『源氏物語』とか『伊勢
物語』とか。戦で疲れ果てているし、奥様もいらっしゃるのに。

Rico　　　お話だけですか？う～んと、キスを求めてくるとか、なかったですか。

諏訪姫　　ないわ。武田家の人々はみんな私が親の仇をとるために信さんを殺すっ
て疑ってたの。隣の部屋からね、異様な気配が漂ってくるのよ。きっと私が信さんを
殺さないか見張っていたのよ。

Rico　　　あの～、実際に殺したいとは思いませんでしたか。

諏訪姫　　勘助が言ったのよ。信さんの子を生んで、その子を諏訪の領主にすれば
きっと諏訪の民たちは喜びますよって。

Rico　　　諏訪姫さんは、勘助さんがお気に入りですね～。

諏訪姫　　信さんの周りって勘助を除いて、みんな私に敵対心を燃やすの。
しかも、私にわかるように露骨によ。

Rico　　　さぞつらかったでしょうね～。

諏訪姫　　ううん、それほどでも。だって自己主張しても仕方ないし、信さんの家
族にも興味ないの。信さんの家臣たちが威嚇してきても、どうでもよかったの。

Rico　　　姫様の美しさの前では、信玄公も軍師・勘助さんも何も言えませんよ。
ご存じですか？現代では姫様が絶世の美女として登場する本やテレビ番組が制作さ
れてるんですよ。

諏訪姫　　ふ～ん。そうなの。想像するのは自由だから好きにしてくださいねって
感じ。

Rico　　　姫様は勘助さんの予言通り男の子を授かるんですよ。どうですか。幸せでし
たか。な～んて、えらそうに私が聞くなってね。

諏訪姫　　ふむ。今ここだけに意識を向けて生きて行こうとしてたから。過去なん
て戻ってこないし、未来も何が待ち受けているかわからない。
ならば、そこに心を砕くことは意味がない。

Rico　　　慎重な性格なんですね～。

諏訪姫　　なるほど、慎重だったから信さんの側室になったのかも。だって、守って
もらうには一番条件が良いとわかっていたし、諏訪の地にも別に執着もなかったし・・
・。

Rico　　　わお！この無欲とはかなさが、大御所作家たちのピンポイントになって物
語に登場されたんですよ、すごすぎ！