シリーズ この方はこんな人㉟春日局

こちらは日本史大スキ女のわたしが、日本史上有名で気になる女性たちを
一人でも多くの人に知ってほしいと願い、もうけたコーナーです。
インタビュー形式で展開していますので、興味がありましたらご一読くだ
されば嬉しいです。お次は、この方の紹介です。

~将軍に仕える女たちが集う 江戸城大奥の基礎を築いたやり手の政治家~

【プロフィール】
1579~1643年

本名は斎藤福。明智光秀の家臣・斎藤利三を父に持つ。春日局は京都で後水尾天
皇に拝謁するため朝廷から賜った称号。徳川三代将軍家光の乳母。結婚し三男二
女をもうけるが、二代将軍秀忠の嫡子家光の乳母の道を選ぶ。家光を将軍の後継
とするため駿府の家康に直訴した話は有名。
家光の信頼は厚く、晩年は江戸城大奥を取り締まり、家光の世継誕生のために奔
走した。

【インタビュー】
Rico   現代女性に大人気のドラマだった『大奥』のトップである春日局さんで
す。お父様が明智光秀さんの味方をされたゆえに、罪人となってしまい、「罪人の子
ども」として肩身の狭い幼少時代を過ごされてきました。しかし自力で這い上がっ
てこられた大変辛抱強い方です。

春日局  父・斎藤利三が処刑されたときには、石を投げつけられたり「死ね!
」なんて罵声をあびてきたけど、「今に見てろよ」って負けん気だけは強かったん
だよね。

Rico   ご結婚されてからも、ご主人の愛人と同居させられるなど酷い境遇でした
もんね。

春日局  ほんと、そんな中『乳母を求む』の徳川家の立看板を見たときにはすっ
飛んで行って面接を受けたわさ。身分が高くないとダメだろうなって思ったから、
あちこち頭を下げまくって紹介状をもらったのよね。

Rico   そのかいあって、見事合格!ただし離婚が条件だし、幼いお子さんを置い
てのお勤めでしたね。

春日局  私が乳を上げるのは未来の将軍よ。私が頑張って認められたら、いずれ
息子たちをPRして雇ってもらえるじゃないのよ。私が乳母になるのは未来への投資
でもあるの。夫に未練はなしだったから迷わず離婚よ。

Rico   そして、いよいよ乳母としての生活が始まりました。正室のお江さんとの
バトルもあって、次の将軍の行方が危ぶまれた中、家康さんへ直訴に行かれました。

春日局  お江様は竹千代(家光)様より弟君を溺愛してたのは事実よ。
あの子ってばもう、ジャニーズのメインを張れるくらいのかわいい子で、素直で
気立てもよくハキハキして愛想がいいのよ。これじゃあ、引っ込み思案で根暗な
若様に勝ち目なんてないじゃないの。だから直談判に行ったってわけ。

Rico   あれ~?お江さんとのバトルはなかったんですか。

春日局  だって、あの人は次期将軍に興味なんてなかったもん。もともと、手元
に置きたい次男のために大奥ってシステムを作られたのよね~。ただ、とてもいい
システムだから、私がどんどん活用させてもらったの。せっかく次期将軍は竹千代様っ
て、家康様から将軍宣言してもらったんだから。
ほんと、竹千代様は虚弱体質で胃も弱かったから、いろいろ工夫に工夫を重ねてき
たのよ。

Rico   春日さんはすごいんですよ~。ご飯を食べたがらない家光さんのために、
毎日七食の飯を炊かせて食べさせる意欲を湧かせたうえ、家光さんが疱瘡の病気に
かかったときには、治療祈願のために将来の薬断ちを決心なされたんです。

春日局  生涯の薬断ちなど、些細な事にすぎないけれど、家光様は男にしか興味を
持たれなかったのが悔やまれた。唯一、興味を持たれてご執心なされた女性が、
姉上の千姫様だったから、すぐに千姫様の再婚の手筈を進めなければならなかった
しね。あれほどの女性なんて、そんじょそこらにいるわけないって。

Rico   ほんとに困った若様ですね~。千姫様以外の女性がダメってことは女性が
苦手なんですかね。

春日局  苦手というより恐れを抱いていたのかも。私は若君を鼓舞し続けるちょ
っとうっとうしい存在だし、母のお江様は今ならネグレクト?って思われるくらい
若様に興味がなかったし。これも私の果たすべき役割と思って、自ら側室を求めて
街をくまなく探しまくった。上様好みの女性であれば、尼であろうと還俗させた。
最終的には大奥では3,000人もの女性が働く場となったしね。

Rico   3,000人!これをご自分で運営、管理、統括されたことは、本当に
ものすごい事です。

春日局  これだけのことをしてきたから家光様は、私の晩年には湯島に寺地を
くだされたのよ。そして麒祥院を建立したわよ。京都の後水尾天皇の拝謁の際に
は「春日局」の名前を頂戴してお目にかかってきたしね。

Rico   春日局さんは何と!平清盛の妻・時子さんと、源頼朝さんの妻・北条政子
さんと匹敵する位階を朝廷より贈られるほど影響力のある女傑と、誰もが認める人だ
ったのです。