シリーズ この方はこんな人⑬愛姫
~怖いお姑様や気難しい家臣のいる東北の嫁ぎ先より 人質としての華やかな暮らしは天国 次々と子どもを授かった独眼竜の奥様~
こちらは日本史大スキ女のわたしが、日本史上有名で気になる女性たちを
一人でも多くの人に知ってほしいと願い、もうけたコーナーです。
インタビュー形式で展開していますので、興味がありましたらご一読くだ
されば嬉しいです。お次は、この方の紹介です。
【プロフィール】
1568~1653年
坂上田村麻呂の子孫を称す田村家の一粒種。12歳の時伊達政宗のもとへ嫁ぐ。
伏見、大坂、江戸と人質生活を続けながら4人の子どもをもうける。外交官的役割
も担い「匕首を常に懐に入れ、辱めは受けない」と夫の判断力を曇らせないため
に手紙を書き送った。実家・田村家の再興を願い続け、亡くなった年に孫・宗良
が当主となる。ついに伊達家の新領地仙台に住むことはなかった。
【インタビュー】
Rico はい、今回は東北の独眼竜の奥様です。ものすごく愛らしくてかわいい人
ですよ。え~と、あい姫さま・・・?
愛姫 「めご」と読むの。
Rico しっしっ失礼しました(汗)!愛姫さま!
え~、12歳のときに伊達家に嫁がれたそうですね。どうでした殿の第一印象は?
愛姫 殿より義母上の方が印象に残ってるわ。悪気なく本音をズバズバ言われるの。
ずっと緊張しっぱなし・・・。
Rico 殿は守ってくれなかったのですか?
(伊達政宗像)
愛姫 殿は超マザコンだったから。義父上も家臣たちも義母上には意見が言えなか
ったの。
Rico おつらかったでしょうね。
愛姫 子どももできなくって、側室が先に男の子を生んでしまったの。
とっても肩身が狭かった。
Rico なるほど。その頃の日本の情勢はすでに中央は豊臣秀吉さんが治めていました
よね。一説では殿も天下を目指されていたとか。
愛姫 殿は生まれてきたのが遅すぎたって言ってたけど・・・。
中央の動きなんて地方にはなかなか伝わってこないから、関白殿下のことを甘くみて
たの。
何度も「挨拶に来るように」ってお手紙が届いてたのに完ムシ。周りの家臣たちも
「殿の顔が見たければ関白こそこちらに来い」なんて言うし・・・。
Rico そして重い腰を上げて秀吉さんに会いに行ったら、そのあまりの権力の巨大さ
にビックリされたんですよね~。即、家臣になると宣言したおかげで命を助けられて
良かったです。
愛姫 殿は自分が井の中の蛙だということを認識されたのよ。
何よりもお供した家臣が自分たちこそ蛙だと気づいてくれたことが良かった。
Rico なるほど~。秀吉さんの命令で人質として、愛さんも京都へ行かなくてはなら
なかったのですよね。どうでした、人質生活は?
愛姫 すごいのよ!華やかでゴージャスなの!
見るもの聞くもの驚かされることばかりなの!
Rico いきなりテンション高いですね。
愛姫 気温もあったかいし、お茶の文化や着物の着こなし方、着物の柄も数も種類
もたくさんあるの。メゴは欲しい着物を殿におねだりしちゃったわ。背が高くてお
しゃれな殿にもピッタリのお召し物もたくさんあったから、メゴがじっくり吟味し
てすすめたのよ。だから殿はいつもおしゃれで「伊達者」な~んて呼ばれてたの。
Rico メッチャ語りますね~。
雪に覆われて閉鎖的、人間関係が密着しまくる田舎から、大都会の超超セレブな人
たちが暮らす場所に引っ越ししたんですものね~。お気持ちわかりますよ。
愛姫 そうよ、義母上と違って関白様(秀吉)の奥様・北政所様は、わたしが聡明
で、でしゃばらない性質だといって気に入ってくださったの。
お茶会にもいつもお誘いいただいて、いろいろなお話をしてくださるの。中にはと
っておきの情報も、そっと耳打ちしてくださったの。メゴは、ちゃんと手に入れた
情報を殿に報告していたわ。殿も大喜びで「めごは余に得がたき嫁である」と誉め
てくださったもの。
Rico いきいきとされてますね~。しかもお子様も授かったのですよね?
愛姫 フフフ♡ そうよ、結婚15年目にして生まれたの。最初は女の子、次は伊
達家の未来の当主となる男の子、その次も男の子、4人目の男の子なんて42歳
のときに生んだのよ。
Rico 当時としては、すごい高齢出産ではないですか!
殿は愛姫さまが大好きだったのね~。
愛姫 環境は大切なのよ。殿とはめったに会うことが出来ないから、久しぶりに
お目にかかる時には綺麗でいようとおしゃれも頑張ったし、いろんな情報も伝え
ようと努力したし、メゴの所でくつろいでほしいから、愚痴も言わずにニコニコ
して殿の愚痴を聞いてあげたのよ。
Rico 秀吉さんがお亡くなりになって家康さんの世の中になっても、変わらず殿が
上役から気に入られていた一因は、愛さんとの夫婦仲が良かったことも関係してい
るのかも。家庭が安定していると、男は仕事に打ち込めますもん。
愛姫 でも殿ったらひどいのよ。お互いに年をとって、殿が病気になったから何度
もお見舞いに行って「会いたい」と言ったのに「老いてくたびれた姿をみせたくな
い」って意地を張って、追い返されたわ。
あら、でもねぇ~、それも殿の愛情かも。ねっ、どう思う?
Rico ・・・。はい。(そして、ここからも姫のおのろけは続くのであった)