シリーズ この方はこんな人⑨巴御前

こちらは日本史大スキ女のわたしが、日本史上有名で気になる女性たちを
一人でも多くの人に知ってほしいと願い、もうけたコーナーです。
インタビュー形式で展開していますので、興味がありましたらご一読くだ
されば嬉しいです。お次は、この方の紹介です。

~鎌倉時代 木曽義仲の愛人として常に戦いの場に参戦 愛人と最後の別れの舞台では敵の首を叩ききって颯爽と退場~

【プロフィール】
平安時代末期
源氏の名門木曾義仲とは乳兄弟であり義仲の側室。幼い頃から武闘に優れる。
強弓と馬術は超一流、腕力も並はずれて強かった。しかも美貌の持ち主。常に
木曾義仲と行動をともにし、戦果をあげたが、京都を追われた義仲とともに死
ぬことは許されなかった。
捕虜となり鎌倉へ送られた後、敵方武士から結婚を所望され子どもを産んだと
いう説も残っている。

【インタビュー】
Rico  はい、ここで真面目に歴史のお勉強。甲信越(山梨・長野・新潟)地方の
武士家庭では、女性も第一線級として通用する戦闘訓練を受けていたそうです。

巴御前 我は1人で1000人は倒したぞ。

Rico  ハイ、平安時代の女武者といえば、こちらの巴さんです。
源頼朝さんの従兄弟である木曽義仲さんの恋人でもあります。

巴御前 義仲が2歳から27歳まで寝食を共にしてまいった。

Rico  義仲さんは源氏の嫡流で、身分が高かったんですよね。

巴御前 我が父が源氏の争いで殺されかけていた義仲をかくまって、我らといっ
しょに育てたからな。

Rico  そして、頼朝・義経兄弟を含む源氏のメンバーと「打倒平家」を掲げて戦い
勝利されたんですね~。

巴御前 勝ちに勝って平家を西へ追いやり京に上ったが、その後がいかんかった。
義仲はずるがしこい頼朝と違い、京の風習などみじんも知らなかったからな。うまく
立ち回ることが出来るはずがなかった。

Rico  あ~、なんか天皇の継承問題にまで首をつっこんだらしいですね。

巴御前 それは我らが口をはさむ問題ではない、と止めた。しかし単純で一本気な男
であったゆえ、平家打倒の旗を上げた以仁王の系統の天皇即位にこだわりよった。
それが皇族や貴族の連中にはカチンときた。

Rico  ン~、だって武士は武士ですよ。皇族様や貴族様からしたら虫けらのような
もんでしょう?あっ、虫けらはひどいですね。すみません!

巴御前 気にするな。実際、彼らの中では我らは虫けら以下の存在だ。

あの単細胞は天皇即位について「筋を通せ!」と、しつこくしつこく言いたてよ
って、せっかく手柄を立てて京に入ったにもかかわらず、すっかり嫌われ者に
なってしまった。
京の連中は手の平を返したぞ。義仲の行動が野蛮で食事の作法もわからぬ野猿だとな。

Rico  え~!ショックですね、何その態度。むかつきません?

巴御前 その時は腹が立ったが、義仲は軍事支配権は固められても政治力は欠けていた。
ただそれだけのことだ。

Rico  あ~、政治的素質はね~、純粋な人にはわからない世界だと思いますよ。

巴御前 後白河法皇から「義仲討伐」の命令が出て、今度は我らが頼朝・義経兄弟から
討たれる立場になってしまった。義経は戦の天才。我らはあっという間に味方を失い、
北陸に落ち延びる時には我を含めて7人しか生き残らなかった。やれ、くやしや。

Rico  巴さん、残ってたってすごいですよ~。強かったんですね。義仲さんも嬉しか
ったでしょう、恋人が残ってくれて。

巴御前 ところが義仲は土壇場で、我と一緒に死ぬことをこばみよった。というよりも
我が戦うことすら許さなかった。

Rico  そりゃ、生き残ってほしかったんじゃないですか、巴さんに。

巴御前 フン、そうかもしれぬが我は一緒に死ぬことが幸せだと信じてきたから
ものすごく傷ついたぞ。
だが、吹っ切れてな。なんだ、我を戦友とは見ず、女として見ておったのか、なめるなよ
と。だから敵大将の身体を引きずり落とし首を切り捨てて、義仲の望み通り退場して
やった。その後義仲は我が兄といっしょに果てたと聞いた。

Rico  巴さん、恰好よすぎ!女も惚れる女です。